第7回「教職員のための外国人留学生就職支援研修会 ~留学生のキャリアデザインをどう考えるか~」レポート

1.はじめに

「教職員のための外国人留学生就職支援研修会2024」とは、外国人留学生の日本での就職を支援するために、「教員」「キャリアセンター等の学校職員」「留学生を雇用している企業」「就職支援企業」の4者の情報や知見の共有を目的としたものです。2017年11月に第1回を開催し、今回で7回目を迎えました。

今回は、『留学生のキャリアデザインをどう考えるか』というテーマを設定しました。キーノートスピーチに始まり、企業関係者によるパネルディスカッション、参加者全員によるワークショップと、4時間にわたり学び合いました。
以下、当日の内容をレポートとしてまとめました。
留学生の就職支援の一助となりましたら幸いです。

【実施概要】
日時:2024年7月27日(土)13:30~17:30
会場:国士舘大学世田谷キャンパス、ZOOM(ハイブリッド開催)
テーマ:留学生のキャリアデザインをどう考えるか
主催:株式会社ASIA Link

【参加者】
合計78名
・会場出席者 34名 ※うち5名は企業関係者
・ZOOM出席者 44名 続きを読む →

留学生の就職支援をしている教職員の方々に聞きました ~キャリアデザインを意識した指導方法と課題について~

日本で就職する外国人留学生は、この10年間で4倍近くに増えました(*1)。それに伴い、留学生が在籍する大学・専門学校・日本語学校等の教育機関における、就職支援の役割・存在意義も高まっています。
大学や専門学校のキャリアセンターでは、留学生を専門に担当する教職員を配置するところも増えてきました。また、日本語学校でも、就職専門のコースを新たに設置したり、就職に関わる授業を取り入れる等の動きが増えています。

一方、就職支援の強化の動きと並行して高まってきたのが、「キャリア教育」の動きです。2011年に文部科学省の審議会報告等の中で「キャリア教育」という言葉が初めて登場してから、文部科学省と厚生労働省が主導する形で、各教育機関ではキャリア教育の取り組みが進められてきました。

しかし、文部科学省や厚生労働省が公開している、キャリア教育に関わるテキストや事例集等は、基本的に日本に住む日本人が対象として想定されており、留学生に対するキャリア教育は、各教育機関が試行錯誤しながら進めているのが現状と言えます。

この度ASIA Linkでは、留学生の就職支援を行っている教職員の方々に、キャリアデザインを意識した就職指導や、キャリアデザインの授業の現状と課題について、アンケート調査を行いました(*2)。
ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
アンケート結果を以下に掲載いたします。 続きを読む →

「外国人留学生のキャリア」をめぐる教職員アンケート調査 ~留学生と教職員に認識の差~

株式会社ASIA Linkは、毎年7月に「教職員のための外国人留学生就職支援研修会」というイベントを主催しています。
今年(2024年)は7月27日に開催し、留学生の就職支援に関わっている、または興味関心のある教職員93名の方々にお申込みをいただきました。

教職員の方々には、参加申し込みの際、応募フォームの中でアンケートへの回答にご協力いただきました。
ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
アンケート結果をまとめたレポートを、以下に掲載いたします。

■アンケート回答者の人数と属性
【有効回答数】91名
【属性】大学職員34名、大学教員19名、専門学校教員7名、日本語学校職員9名、日本語学校教員12名、その他機関・フリーランス教師等10名
【アンケート実施期間】2024年4月-7月

■アンケートの目的
今回のアンケートは、外国人留学生のキャリアに関わる認識について、留学生自身による認識と比較して、教職員による認識がどのようなものかを調査するために行いました。
留学生向けのアンケートについては、株式会社ディスコ(現:株式会社キャリタス)が2023年8月に発行したキャリタスリサーチ「2024年卒 外国人留学生の就職活動状況に関する調査」を参照しました(以下キャリタス2023と表記)。この中に留学生のキャリア思考が窺える質問項目が含まれているため、今回の教職員向けアンケートでは、 続きを読む →