こんにちは!ASIA Linkの小野です。
今日は、武蔵野美術大学で、留学生のための授業にゲストとして呼んでいただきました。
これから就職活動を始める留学生のために、美大生 × 留学生という二つの面を持った自分たちが、どのような企業で、どのような活躍ができるのか。
そして、未知の世界である「日本での就職活動」とはどのようなもので、どう準備し、どう進めていけばいいのか。
そういうことをぜひ伝えてほしい、という、授業ご担当の三代先生(日本語教育の専門家)からのご依頼を受け、90分の授業でお話させていただきました。
実は、ASIA Linkのオフィスから武蔵野美術大学までは、自転車で20分。車なら10分かからない距離。同じ東京都の小平市です。
三代先生とのご縁もあって、武蔵野美術大学の留学生の方々が、多くASIA Linkに登録いただき、自転車で(笑)オフィスに面談に来ています。
美大の留学生と接していて感じるのは、自分の「やりたいこと・好きなこと」を明確に持ち、ひたむきに自分のスキルを高める努力をしていること。
就職活動をこれから始める学生さんが、自分のやりたい仕事像を明確に持っているケースはむしろ少ないですが、美大のような専門性の高い大学に通う学生さんは、「好きなこと=仕事にしたいこと」が明確です。
ただ、自分のやりたいことが明確であれば就活は楽勝か?というと決してそうではありません。
私も音楽大学の出身で、専門が同じ芸術系だったのでよくわかるのですが、芸術系の学生は、自分の専門性を直接生かすことにこだわると、就職先がとても狭くなってしまいます。数少ない就職先を、多くの仲間とともに競い合うような構図です。
しかも、デザイン事務所やコンテンツ制作会社等を一生懸命受けている留学生に話を聞くと、
「留学生は採用していないと言われた」
「留学生NGではないが、とくに留学生がほしいわけではないので、日本人学生よりも自分は不利になってしまうと感じる」
といった不安の声がよく出てきます。
もちろん、第一希望がデザイン事務所であるなら、納得のいくまで挑戦してほしいですが、デザインは私たちの生活や仕事の様々な場面に関係しています。
デザイン事務所でなくても、自分の専門性が生きるフィールドはあるのです。
ぜひ、美大の留学生には、広い視野を持って、自らが活躍できる企業を見ていってほしいと思い、ガイダンスでもお話しています。
たとえば、ヨーロッパでは、工場の中で使われる産業用ロボットにも、デザインのセンスが要求されます。海外向けに産業用ロボットを作っているメーカーで、活躍の場があるかもしれません。
また、あるマーケティング専門企業では、様々な専門分野を持った社員が集まっており、クライアント企業からの依頼に応えています。
たとえば、傘メーカーが東南アジアに販路を拡大したいと考えて、このマーケティング企業に「東南アジア諸国における傘のデザインの調査」を依頼した場合。デザインを専門とする社員の力の見せ所になるかもしれません。
芸術は、国籍・国境を越えて、あらゆる人々の人生を豊かにする可能性を持っています。
武蔵野美術大学の留学生のみなさんには、ぜひ無限の可能性の中でチャレンジしてほしい。
ガイダンス終了後には、何人もの留学生が列を作って、質問や相談に来てくれました。
武蔵野美術大学の留学生のみなさん、そして三代先生、ありがとうございました!