面接はキャッチボール?

こんにちは、ASIA Linkの三重野(Mieno)です!

先日、中国人留学生の方とごはんを食べに行きました。

ASIA Linkのイベントにもよく来てくれている学生さんです。

たまたま電話をくれて「よし、電話じゃらちがあかない。ごはんにしよう!」ということでごはんに行ってきたのですが(笑)

3月からコツコツと就活を続けていても、なかなかまだ決まらずにいる彼。

そんな彼とごはんを食べている中で「日本の就活の面接は短すぎる」という話になりました。

いくつも企業を受ける中で、面接の時間はだいたい1人20分だったり、2人で30分だったりする、とのこと。

「留学生にはとても不利です」

なんで?

「だって、自分の本当の考えを言葉にすることはとっても大変なことでしょう。短い時間で答えなくちゃいけないってなると、どうしても準備したものをしゃべらないと短い時間で自分のことを伝えられないじゃないですか」

なるほど~と思いました。

もし、私が中国に留学している留学生で中国企業に就職したいってなったとき、同じ現状が目の前にあったら、きっと彼のように「準備した言葉でしゃべらないと」という気持ちになるなと、焦りを感じるな、と思います。

「ある企業は、ごはんを一緒に食べたり、登山したりするんですよね。中には麻雀を一緒にするような企業だってある。こっちの方が留学生にはよいです。言葉だけじゃないところで、お互いその人自身がみえるから」

再度、なるほど、でした。

彼の話を聴く中で、「面接」というひとつの形式の中では「評価する者」としての企業と、「評価される者」としての学生という構図が出来上がっているのだなと感じました。

「評価される者」として位置づけられていることがわかれば、「評価する者」に合うように「準備した言葉」で話す方が、受かりやすいという判断になることは当然だと思います。

誰だって、好きな企業には受かりたいです。

特に、母語とは違う言語を話しているという不安もある留学生は、それを選択している事実はあるように思います。

私たちASIA Linkでは、就活ゼミなどを介して「面接(対話)はキャッチボールだ」という話をよくしています。

しかし、「キャッチボール」は「キャッチしてくれるあなた」がいなければ、ずっと壁打ちです。「キャッチしてくれるあなた」がいるからこそ、「私はボールを投げられる」のです。

もちろん、逆もしかりです。

「私もボールを投げてみよう」という勇気がないと、そこに「キャッチしてくれるあなた」がいるかどうかは、わからないままです。初めてボールを投げる時、それはとても不安で、緊張して、焦ってしまうかもしれません。ですが、相手がどこにいるのか考えて、投げてみる、その勇気が大切だと思います。

「どこにボールを投げようか」

「このボールは取ってくれるかな?」

「思い切って投げてみよう!ちゃんと届くのかな?」

「そう投げる?じゃあ、私はこう投げ返してみよう!」

「ボールを投げる私」が留学生で、「キャッチするあなた」が企業、というわけではありません。「キャッチボール」なので、お互いに「ボールを投げ」、それを「キャッチする」のだと思います。

そんな「あなた」と「私」の間で行われるからこそ、面接はきっとキャッチボールに例えられるのだろうな、と感じました。

一方で、果たして「キャッチボール」だけが「あなた」と「私」を知るツールなのかはわかりません。

「キャッチボール」は苦手でも、誰よりも球場のボールをいち早くすべて拾えるひとや、グローブをつくれるひと、もしかしたら、キャッチボールをしている土壌を整備できるひとなど、多様なひとが、実はすぐ傍にたくさんいるのだと思います。それは、「キャッチボール」の中では、少しみえ辛いものかもしれません。

「ボールを投げてみる」ことも、「キャッチボール」以外の方法で知ることも、どちらも同じだけ重要だと思います。それに、どちらも同じだけ勇気がいることなのかもしれません。

どちらにも少しずつ、そんな勇気を投げかけられる場所にASIA Linkとしても、私としても、なっていきたいなと感じます!

今回、中国人留学生の彼にもらったこのボールを、いろんな方に投げていけるように日々精進しながら、私自身もキャッチボールも、それ以外の方法も模索していかないといけないなと、勇気と責任をいただいた日になりました。