中小・中堅企業が留学生のハートをつかむには?

こんにちは!ASIA Linkの小野です。

昨日は、5年前からお付き合いのある精密機器メーカー様をご訪問してきました。これまでにASIA Linkから2名の人材を採用いただいています。一人は、機械設計エンジニアとして活躍中の元中国人留学生、もう一人は国内外営業担当のアメリカ人社員さんです。

今年も「社長LIVE2018」にご参加いただき、2名の留学生の内定をいただきました(台湾人留学生とドイツ人留学生)。
今日は、その社長LIVEの詳細な結果報告をお伝えするために、私と三重野で人事ご担当者様をご訪問してきました。

この企業さんは、高い技術を誇るニッチトップメーカーで、その業界では世界的に名の知られた中堅メーカーです。
毎年新卒採用を行っており、特に優秀なエンジニアと成り得る機械工学・電気工学を学んだ学生の採用に力を入れています。
しかし、このようなメーカーであっても、B to Bメーカーであるため学生からの知名度はかならずしも高くなく、大手就職ナビサイトに求人広告を出してもエントリーが少ないのが悩み。
そして、エントリーがあり選考に進んだ学生についても、優秀な学生から内定を出していくため、結果的に大手メーカーに内定が決まって辞退していく、という流れをなかなか止めることができませんでした。

しかし、そこで諦めないのが、この企業の人事ご担当者のすごいところです。

今回、「社長LIVE」でこの企業に応募した留学生のフォローアップを、私たちも人事ご担当とともに行っていたのですが、ある留学生のAさんが、内定辞退を申し出てきました。私たちは、Aさんに電話をしてじっくり話を聞きました。外資系企業で内定が決まったとのことでしたが、よく気持ちを聞いてみると、その外資系企業での仕事内容により魅力を感じているというよりも、日本企業で働くことへの不安を抱えていることがわかりました。
私たちはこういうケースの場合、多くの留学生の就職を見てきたプロの仲介者として、この留学生にとって現時点での最善の選択ができるように支援します。
もし、Aさんが外資系企業への志望度が高く、しかもAさんにとってその外資系企業で働くことが最善の道だと判断すれば、Aさんの選択を尊重し、無理にASIA Linkからの紹介企業への入社を勧めることはありません。
仮に無理に入社を勧めても、Aさんにとっても企業にとっても幸せな結果にはならないからです。
しかし、今回のケースの場合、Aさんを迷わせていたのは日本企業で働くことへの恐れでした。私たちはAさんの気持ちに寄り添いながら、その不安を解消していこうとしましたが、なかなかAさんの気持ちが変わることはありませんでした。

この一連のやりとりを、この精密機器メーカーの人事ご担当者にお伝えしたところ、人事ご担当者はすぐにAさんに会いに行ったのです。Aさんの大学まで足を運んで。
そして、直接会って「うちの会社にはあなたが必要だ」という想いを伝えたのです。

結果的には、Aさんの心が変わることはありませんでしたが、私はここから大きな教訓を得ました。

昨日ご訪問した際、その人事ご担当者と「中小・中堅企業が、大手企業に負けない人材採用をするにはどうしたらよいか」という議論になりました。
その人事ご担当者は、
「とにかく足を使って会いに行くしかない。」
と力強くおっしゃいました。
有言実行しているので、とても説得力のある言葉でした。

こういう企業さんの人材採用支援ができることを、心から幸せに思います。
もちろん、私たちASIA Linkはよい留学生を探し、マッチングをします。
内定まで全力でフォローします。
でも、最後に留学生が人生の大切な選択として、「その企業」を選ぶかどうかについては、最終的には見守るしかありません。
その留学生が入社したあと、私たちASIA Linkがその留学生と一緒に働くわけではありません。
留学生は、入社した企業で、その企業の人々とともに働きます。

最後にその留学生を口説き、背中を押すのは、彼らの仲間となる受入れ企業の方々でなければならないと思っています。