経営者の心に火をつけるフォロワーの存在

こんにちは!小野です。

先週の金曜日、留学生の面接に同行して、機械部品メーカーさんをご訪問してきました。

とても緊張していた留学生でしたが、社長さんをはじめ社員のみなさんの温かい歓迎を受け、次第に笑顔に。
会社の業界・製品・技術についてくわしくご説明いただき、これから会社がどうなっていきたいか、その中でどのように留学生の力を必要としているかも、熱く語ってくださいました。

このメーカーさんは、ASIA Linkを創業して最初の年に開催した就職イベント「アジアの架け橋」に参加してくださった企業さんです。
もう13年目のお付き合いです。
この間、社長さんが「海外をめざす」という夢を追い続けてきた姿を、私も拝見してきました。
中小企業が海外展開をめざすにはいくつものハードルがありますが、社長さんがその次々と立ちはだかるハードルの前で立ち止まり、試行錯誤し、前進しては後退する姿も、遠くからではありますが(そしては私自身は何の力にもなれず、時折お話を聞く程度でしたが)、拝見してきました。

今回、私がとても感動して、且つ大きな気づきをいただいたのは、セールスエンジニアとして働く若手の社員Aさんの存在です。
昨年、社長さんがAさんを連れて海外出張に行った際、Aさんがこう言ったそうです。

「社長、海外やりましょうよ!私はやりたいです!」

この頃、社長さんは海外展開計画の何度目かの挫折を味わっていたところで、もう海外展開は無理なのではないかと、半ば諦めかけていたそうです。

Aさんの言葉は、社長さんの諦めかけていた心に火をつけました。
Aさんは、英語などの外国語が上手なわけではなく(失礼!)、海外経験が豊富だったり、海外に関する知見を持っていたりするわけでもありません。
でも、この気持ちが、社長さんの背中を押したのです。

留学生に、会社の説明を、非常にたどたどしい英語で(なんども失礼!)熱く語ってくれたのは、このAさんでした。
海外展開をいっしょにやろう、うちの会社でグローバルチームを作ろう、という想いから、がんばって英語の説明を準備してくれていたのでした。
英語はあまり伝わらなかったけれど、想いは120%伝わりました。
隣でじっと聞いている社長さんが(社長さんは英語が堪能)、Aさんを信頼して任せようとしているのも伝わってきました。

この二人を見て私が感じたのは、たった一人のフォロワーがリーダーに火をつけるということです。
別の言い方をすれば、リーダーにはフォロワーの存在がどれだけ大切か、ということです。
もちろん、リーダーの中の「火」は消えることはありませんが、リーダーも一人の人間ですので、常に火をたぎらせていることはできません。消え入りそうな種火になってしまうこともあります。
そこに、新鮮な空気を送ったり、たきぎをくべたり、新たな火を追加したりするのがフォロワーの存在だと思うのです。

Aさんは、なにかすごい特別な技術やスキルを持っているわけではないかもしれませんが、社長さんと同じ方向を向くことができる人、社長さんと同じ景色を見たいと思える人なのだと感じました。

Aさんというフォロワーの存在が、社長さんを支え、会社の新しい推進力になっていることを感じた一日でした。