子どもの頃から国際交流を

こんにちは。ASIA Linkの小野です。

最近、残念に思う話を2つ耳にしました。

一つは、小学校で6年生の担任をしている先生から聞いたお話です。
6年生になると、社会科の授業等で、外国についての話題が出ることがあります。 そのとき、中国や韓国について、子どもたちからネガティブな発言が出ることが このところ増えた、というのです。 メディアの影響もあるだろうし、家庭の中でそういう会話があるのかもしれない、 と先生はおっしゃっていました。 子どもたちは、実際に中国人や韓国人の方と接したことがないので、どうしても イメージで捉えてしまうと。

そしてもう一つは、子ども向けの学習塾を経営されている社長さんから聞いたお話。
その塾では、大学生のアルバイト教師も採用しているのですが、これまでは、 近所の国立大学に通う外国人留学生も、日本人学生と同じようにアルバイトとして 活躍してもらっていました。 子どもたちに、外国人留学生と触れ合う機会を提供したいという意図もあった そうです。 しかし最近、子どもたちの保護者から、 「中国人や韓国人の留学生に、子ども達を教えさせないでほしい。もし これを続けるのなら、子どもに塾をやめさせる。」 とのクレームが来るようになったそうです。 社長さんは、経営に支障が出るのを心配し、仕方なく外国人留学生のアルバイト 採用を控えるようになったとおっしゃっていました。

私たちは、知らないもの、未知なるものに対して、本能的に恐れや不安、警戒心や 恐怖心を抱く生き物だと思います。 もし、子どもたちに一人でも、仲のよい中国人の友達、仲の良い韓国人の友達がいたら。 上記のような言葉は出てこないのではないでしょうか。

メディアの情報ももちろん必要ですが、それらには制作者や編集者の主観が少なからず 含まれており、その意図によって切り取られ、編集された情報にすぎません。 でも私たちは本来、自分自身の目や耳で実際に見たもの、聞いたことに主軸を置いて、 自分自身の頭で考えて行動していける生き物でもあると思います。
とくに子どもたちには、様々な文化・価値観・国籍・民族の人々とじかに触れ合って、 自分が広い世界の中でともに生きていることを体感してほしいのです。

日本では、現在16万人を超える留学生が学んでいます。 日本が好きで、日本語を一生懸命学び、日本人学生と机を並べて切磋琢磨しています。 日本企業に就職し、日本経済に寄与している元留学生も何万人もいます。
彼らは日本人と同じように税金を払い、年金も納めます。

今週の金曜日、地元の小学校で、外国人留学生と小学生の交流授業を行います。
毎年ASIA Linkでコーディネートをしていて、これが4回目の授業です。 外国をテーマにした○×ゲームを楽しんだり、留学生と小学生がグループになって、 留学生の母国の行事や遊びを紹介する紙芝居を作ったりします。

感受性の高い子どもたちの心に、何かが残りますように。