<外国人雇用>厚労省の無料支援ツールが組織の「相互理解」を生む理由

2021年に厚生労働省が公開した「外国人労働者の人事・労務に役立つ3つの支援ツール」をご存知でしょうか。
外国人を雇用する企業に対して、社内での円滑なコミュニケーションや労務管理をサポートするために開発されたツールです。

やさしい日本語や異文化コミュニケーションの専門家が開発に携わっているため、実用性が高く現場ですぐに使うことができます。なにより「無料で活用できる」という点が大きな魅力です。
今回は、この3つの支援ツールの具体的な内容と、私が感じる「このツールが持つ隠れた価値」についてご紹介します。

①外国人社員と働く職場の労務管理に使えるポイント・例文集

人事担当者や現場の管理職が、外国人社員に対して労働条件や職場のルールを正しく説明できるようにまとめたガイドブックです。「なぜそのルールがあるのか」という制度の背景から説明できるため、納得感が生まれやすいです。

構成: 全9カテゴリー(採用、賃金、労働時間・休暇、異動・退職、安全衛生、ハラスメント、退職金、在留資格、働き方)+企業の好事例。

内容: 外国人社員が抱きやすい疑問(「なぜ控除されるのか」「なぜ始業前に来ないといけないのか」など)の背景を解説しつつ、実際にそのまま見せたり話したりできる「やさしい日本語」の例文や図表を掲載しています。

日本人側の気づき: 例文集には、「日本の雇用慣行」と「外国の文化や外国人の考え方の一例」が対比して記載されています。そのため、 続きを読む →

第9回「教職員のための外国人留学生就職支援研修会 ~雇用文化・キャリア観の国による違いをふまえた就職支援とは~」レポート

1.はじめに

「教職員のための外国人留学生就職支援研修会」とは、外国人留学生の日本での就職を支援するために、「教員」「キャリアセンター等の学校職員」「元留学生を雇用している企業」「日本で働く元留学生」「就職支援企業」の5者の情報や知見の共有を目的としたものです。2017年11月に第1回を開催し、今回で9回目を迎えました。

前回(2025年7月)は、「留学生のキャリアデザイン 就職後の元留学生のキャリアヒストリーを聞く」というテーマで日本で働く元留学生をゲストに迎え、当事者側の視点で外国人社員のキャリアについて考えました。今回は、引き続き「キャリア」をテーマに据え、雇用文化・キャリア観の国による違いをふまえた就職支援に焦点をあてました。専門家によるキーノートスピーチ、元留学生のパネルディスカッション、参加者全員によるワークショップ等、4時間にわたり学び合いました。
以下、当日の内容をレポートとしてまとめました。
留学生の就職支援の一助となりましたら幸いです。

【実施概要】
日時:2026年7月11日(土)13:30~17:30
会場:国士舘大学世田谷キャンパス、ZOOM(ハイブリッド開催)
テーマ:雇用文化・キャリア観の国による違いをふまえた就職支援とは
主催:株式会社ASIA Link

【参加者】
合計98名
・会場出席者 36名 ※うち4名は現役留学生・元留学生ゲスト
・ZOOM出席者 62名 続きを読む →

在留許可手数料の金額の改定が正式に発表されました

こんにちは。ASIA Linkです。

このブログ(7/22)でもお伝えしていた在留許可手数料の値上げについて、昨日(8/28)、出入国在留管理庁のHP上で正式に発表されました。

令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等についてhttps://www.moj.go.jp/isa/01_00644.html

出入国在留管理庁HPより転載

留学生が「留学」から「技術・人文知識・国際業務」等に在留資格を変更する際や、 続きを読む →

来年の「メーカー就職2028」の作戦会議を行いました!

こんにちは。ASIA Linkの小野です。

先日、留学生の李さんが事務所に遊びにきてくれました!
事務所の1階にある中華レストラン「満福楼」で一緒にランチ。
(ここはどのメニューもおいしくて、私も行きつけのお店です)

李さんはすでに内定先企業が決まって就職活動が終了し、来年3月の卒業までは学業に邁進中の、本当に勉強熱心で努力家でそして優秀な学生さんです。
話もとっても上手で、しかも楽しい方なので、先月ASIA Linkで主催した「教職員研修会」の総合司会も担当していただきました。

さて、このランチ会の目的は、たのしいおしゃべりともう一つ、来年の「メーカー就職2028」の作戦会議でもありました。

今年3月に都内会場で開催した、製造業と27卒留学生の就職イベント「メーカー就職2027」のあと、内定者が続々決まる中で手ごたえを感じつつも、私たちは直接企業と留学生が出会う効果をもっと実感できるようなしかけを、考え始めていました。
「メーカー就職2027」では、留学生が企業の展示ブースを自由にまわって話しかけるスタイルでした。
この形だと、企業は「ブースに来た留学生にプレゼンする」、留学生は「企業ブースを選んで質問する」構造になります。
しかし相互理解を進めるためには、この逆の立場も行うことが効果的ではないか?と考えました。
つまり、企業が留学生ブースを自由に回って留学生に質問し、留学生が自分の勉強・研究内容や得意分野などを企業に 続きを読む →

就活とAI:加速する活用、「本来の目的」の再確認

生成AIの急激な普及に伴い、就職活動でもAIの活用が急速に広まっています。就職活動をする学生の約8~9割がAIを不可欠なツールとして利用し、企業側もAI面接やAIによる適性検査を導入するなど、新たな局面を迎えています。
本記事では、どのようなことが起こっているのか、今後のAIの活用方法について、考えてみたいと思います。

学生・企業の現状と利点

マイナビ調査では、「AIを就職活動で使ったことがある」と回答した学生は、2024年卒では18.4%、2025年卒では37.2%、2026年では66.6%と急増している。また、近年の調査(キャリアチケット)では、学生の約85%がAIを活用していると回答しており、就活におけるAIの活用はもはや当たり前になりつつあります。

主な活用方法は、自己分析や自己PR・志望動機の「壁打ち相手」(言語化、論理的表現の練習相手)、企業・業界研究の情報収集、ESの添削など、全般に及んでいます。

AIの活用によって、論理的に話すことや、きれいに整った文章を簡単に作ることができます。一方で、綺麗にまとまってはいるものの印象に残らない内容になったり、その人自身の人柄や熱量が伝わらなくなったりする弊害も生じています。

さらに、AIが生成した内容をファクトチェックしなかったために 続きを読む →

在留許可手数料の値上げを目前に控え、27卒・28卒留学生採用を予定する企業はどのような対策をとるべきか

こんにちは!ASIA Linkの小野です。

すでに報道等でご存じの方が多いと思いますが、今年10月1日から、在留許可手数料の大幅な値上げが見込まれています。

在留許可手数料の額について(案)
※出入国在留管理庁WEBサイトより

https://www.moj.go.jp/isa/content/001465375.pdf

正式な施行開始日や手数料はまだ発表されていませんが、出入国在留管理庁が現時点で公開している案(上記のリンク)をもとに、留学生の新卒採用を行う企業は早急に方針を決めておく必要があると思います。

その理由は、主に以下の3点です。 続きを読む →

【後編】多文化共生を理想論で終わらせないために。「間に立つキーパーソン」の重要性と、すべての人が活きる組織の共通点

こんにちは。留学生就職支援をしております、ASIA Linkです。

前編では、日本社会と外国人コミュニティの間に立つ「キーパーソン」の重要性についてお伝えしました。

後編となる今回は、この「間に立つ人材」を具体的にどう増やし、どう活かしていくのかを深掘りします。

「既存の専門性への上乗せ」が早道

多文化共生社会を目指して、国も対応を進めています。その一つが、入管庁主導で始まった「外国人支援コーディネーター研修」です。

複雑な生活課題を解決に導く“官民をつなぐ専門人材”として期待されていて、2024年8月から第一期の養成研修がスタートしています。

現在は自治体職員などの実務経験者が研修参加の対象となっていて、 続きを読む →

9月10日 岡山県『企業向け外国人材受入セミナー』のお知らせ

こんにちは! 留学生の就職支援をしております、ASIA Linkです。

9月10日(木)岡山県主催・岡山県労働局共催『企業向け外国人材受入セミナー』講師を、ASIA Link代表 小野が担当します。

岡山県内の企業の方々にご参加いただけるセミナーとなっております。

当日の会場・プログラム

会場
ピュアリティまきび(岡山市北区下石井2丁目6-41)
※オンライン(Zoomウェビナー)でもご参加いただけます

対象
高度外国人材の採用に関心がある、または採用している県内企業の方

プログラム
講 演 13:15~15:45
1.外国人材の採用ルートと最適な選び方
~留学生採用と海外からの直接雇用~
・留学生の就活の 続きを読む →

教職員研修会、無事に終了しました!

こんにちは!ASIA Linkのスタッフ一同です。

先週の土曜日(7/11)、「教職員のための外国人留学生就職支援研修会2026」を開催しました!

会場、Zoom併せて98名の方々にご参加いただきました。
たくさんの方にご協力いただき、今年も学びの場を持つことができたことに感謝です。

今年のキーワードは、「違和感」「雇用文化・キャリア観」「共有メンタルモデル」「ブリッジ人材」でした。

開催レポートは、 続きを読む →

在留外国人に対する基礎調査から見える、日本社会の現在地とこれから

こんにちは。留学生就職支援をしております、ASIA Linkです。

出入国在留管理庁が「令和7年度在留外国人に対する基礎調査結果」を公表しました。
本調査は、外国人住民が日本で生活する上で抱える課題を的確に把握し、共生施策へ反映することを目的として、令和2年から毎年実施されているものです。

今回の令和7年度調査では、基本的な設問構成は令和6年度を踏襲しつつ、調査票の対応言語にスペイン語が追加されるなど、多様化する外国人住民への対応が進みました。その結果、有効回答数は8,874件(前年度比1253件増)、回答率45.5%(同6.6ポイント増)と大きく数字を伸ばしました。

 

変わらない課題と、依然として残る「情報の壁」

一方で、調査結果から見える課題は例年と大きく変わっていません。 続きを読む →