大学と日本語学校で留学生のための就職セミナーを行いました!

こんにちは!ASIA Linkの小野です。

12月に入り、メンバー一同、企業訪問や留学生面談に追われる日々。
気付けば、街はすっかりクリスマスで、今年も残すところ3週間ですね。

先週は、3つの大学・日本語学校で、外国人留学生のための就職セミナーを行わせていただきました。

◆12月5日(火)武蔵野美術大学
三代先生の「日本事情」の授業で、毎年この時期に行わせていただいています。
1年生~3年生まで、15人ほどの留学生が受講しました。
武蔵野美術大学の留学生は、どのような企業・職種で活躍の可能性があるのか、企業は留学生に何を求め、何を期待しているのか。
これを、実際に留学生を採用している企業の事例を交えながら説明しました。
そのあと、「企業視点」を持って面接に臨むコツについて、お伝えしました。
後半は、先輩留学生へのインタビューということで、韓国人留学生で武蔵野美術大学4年生の朴さんが登場。
朴さんは、ASIA Linkの就活ゼミや社長LIVEに参加し、最終的にグローバルな自動車部品メーカーのプロダクトデザイナーとして内定が決まった留学生です。
小野からのインタビュー形式で、就職活動の経験談や、後輩たちへのアドバイスを語っていただきました。
三代先生によると、昨年この授業に参加した留学生は、ほとんどが内定を決めたとのこと。
嬉しいですね!
今回参加してくださった留学生の方々も、熱心にメモを取っていました。
三代先生、留学生のみなさん、ありがとうございました!

◆12月7日(木)東京大学
大隅先生の日本語のクラスで、「日本で就職した外国人社員のリアル」について、50分ほどレクチャー&ディスカッションをさせていただきました。
8人の大学生・大学院生が参加。
オンラインでの授業!という、私(小野)にとって初めての体験でした。
カメラでお互いが良く見え、声もお互いによく聞こえましたので、意外に違和感なくコミュニケーションを取ることができました。
レクチャーの内容は、私が事前に作っておいたメモを、以下にシェアします。

1.なぜ企業が留学生を採用したいか
①海外へビジネスを広げていける人を採用したい
②専門的な知識を持った優秀な人を採用したい

2.実際に留学生を採用した企業
→採用してよかったこと
①海外のお客さんが増えた
②海外の支社との連絡がスムーズになった
③新しい商品やサービスのアイデアが生まれた
④外国人社員が入ったことで、社員全員が、「うちの会社もグローバルにビジネスをやっていくんだ」という気持ちを持つようになった。
⑤仕事を覚えるのが早く、勉強熱心なので、まわりの日本人社員ももっとがんばるようになった。
⑥日本人社員が、いつも外国人がそばにいる、という環境に慣れた。
⑦会議で決まったことを、きちんとわかりやすい日本語で文章に書いてみんなが見られるようにした。外国人社員だけでなく、日本人社員にとってもよかった。誤解が生まれにくくなった。
⑧外国人社員に、みんなが一生懸命仕事を教えようとして、以前よりもチームワークがよくなった。

3.入社してからの問題点
①新しく入った外国人社員に、部長がコピーをお願いしたら、「これは私の仕事ではありません」と断った。
→日本では、学歴よりも経験年数が大切。新人は、いくら大学院卒であっても、雑用をやることがある。

②プロジェクトのしめきりが間に合わなくて、チームの全員が残業していても、外国人社員が定時に帰ってしまう。
→日本企業では、仕事の境界があいまい。自分の担当ではなくても、チームメンバーを助けて残業することはよくある。
→ただし、上司やまわりに付き合って、意味のない残業をする必要はなし!

③早く海外営業がやりたいのに、まずは1年間国内営業で経験しなければならない。すぐに自分がやりたい仕事ができないことに不満を感じ、1年たたずに退職。
→日本企業は、新人をゼロから育てていくことを大事にしている。基礎からしっかり学んでほしいと考えている。このスピード感が外国人社員と合わないことがある。

④仕事を説明したあと、日本人社員が「わかりましたか?」と聞いたら、外国人社員が「わかりました」と答えた。しかし、実際に仕事を始めてみたらぜんぜんわかっていなかった。外国人社員が日本語を理解できていなかったことがあとからわかった。
→「わかりましたか?」という質問もダメ
「わかりました」という答え方もダメ
「こういうことですね」と、自分の理解した内容を自分の言葉で説明すると、誤解がおきない。
質問するほうも、「あなたの言葉で一度説明してみてください」と、理解の内容を確認するとよい。

⑤中国に支社を出す予定と言われて入社。しかし、半年たっても中国支社の話がない。たぶん、中国支社の話は中止になったのだろうと考え、転職活動を開始。
→きちんと、上司や社長に相談する。自分だけで判断しない。日頃からコミュニケーションを取る。
海外拠点設立など、経営の重要決定は経営層しか知らないこともある。直属の上司が知らないこともある。

⑥中国人社員同士で、小さい声で相談した。内容は「今夜飲みに行かない?」という単純な話。だが、中国語がわからないまわりの日本人からみたら、理解できない外国語でこそこそ話されて、いやな気持ちがしてしまう。何か悪口言われているのかな?とか。
→社内では日本語を使ったほうがいい。

⑦日本で働いたあと、母国にある支社に転勤するという約束で入社
→ケース1:日本にもっと長く住みたいので、まだ母国に帰りたくない。
→ケース2:母国の支社に転勤したあと、すぐに他の企業に転職してしまう。
→ケース3:母国の支社に転勤する際のお給料の条件が合わず、退職。
※日本と同じ給与、またはそれ以上の給与で転勤したい留学生は多い(当然のことながら)。
ただ、現地の支社にいるスタッフよりも、能力が確実に上でないと、現場から不満がおこる(これも当然)。
高い給与を求めるからには、それなりの努力も必要。

参加してくださった留学生の方々からは、「自分はこう思う」という意見や質問がたくさんあり、私にとっても刺激のあるやり取りになりました。
大隅先生、留学生のみなさん、ありがとうございました!

◆12月8日(金)カイ日本語スクール
こちらは、ASIA Linkの阿部が担当させていただきました(冒頭の写真)。
カイ日本語スクールさんで就職セミナーをやらせていただくのは、2回目。
今回は、日本語の初級クラスの留学生が多く参加してくださったため、100%英語で行いました。
(小野は英語がダメですが笑、阿部は英語ができますよ!)
30人近い留学生が参加してくださり、教室は大盛況。
みなさん、熱心に耳を傾けてくださいました。
内容は、以下の流れで行いました。
1.日本の就職活動ってどうやるの?
2.日本語のスキルはどのくらい必要?履歴書と面接で必要な日本語は?
3.どんな留学生が就職できたか?(ケーススタディ)
4.行動するために!何から準備を始めればいい?

カイ日本語スクールには、多国籍な留学生が在籍しています。
みなさんの多様な価値観や能力を、ぜひ日本企業で発揮してくださね!
大山先生、留学生のみなさん、ありがとうございました!

ASIA Linkでは、日本企業での就職をめざす留学生に向けて、大学・専門学校・日本語学校での出張授業を行っています。
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