こんにちは!ASIA Linkの小野です。
会社を経営していく上で、人材の採用と育成は、最大級に重要な仕事です。
たった一人で会社を運営していくならともかく、最初の一人の社員を採用する 瞬間から、この仕事は始まります。 この採用と育成の仕事は優先度が高いにもかかわらず、難易度もトップレベルで、 マニュアル本は多々あれどどこにも100%の正解はありません。
まずは経営者自身が思考錯誤しながら、仲間とともに向っていくゴールを明確にし、 ともにゴールをめざすためのストーリーを、人材に語る必要があります。
会社・事業の成長と自分の人生における成長のストーリーが少しでも重なって 見えたとき、人材は初めてその経営者とともに働きたい、仲間になりたいと思う からです。
経営者の顔が見える企業、経営者の生き様やポリシーが見える企業には、意識の高い 人材が集まります。そのような経営者は、発信すること自体を自らの主要な仕事の 一つとして実践しています。 発信しなければ、知ってもらわなければ、存在しないも同じだからです。
私が上記のことを強く意識するようになったのは、ASIA Linkを創業した初年度と その次の年度に行った、「アジアの架け橋」というイベントがきっかけでした。
外国人留学生と企業が出会う、いわゆる「合同企業面談会」として始めたイベント でしたが、このイベントであることに気づきました。
参加企業の多くは人事担当者が出席し、経営者が出席した企業は一部でしたが、 経営者が出席した企業のほうが、圧倒的に留学生の採用が決まるのです。 このイベントで内定した留学生に話を聞いてみたところ、以下のような答えが 帰ってきました。
「社長さんが参加していたので、本気で留学生を採用したいことを強く感じた」
「社長さんと話して、その考え方や人柄が信頼できると思った。この社長さんの そばで働きたいと思った」
「いくつもブースを回ったが、社長さんがいたブースは特に印象が強かった」
留学生は、経営者と話すことで、その企業に対する印象が強まり、応募意欲が 高くなっていたのです。
採用の場に経営者がいることの意味を、私は確信しました。
実際に、仕事で中小企業経営者の方々と接する機会が増えていく中で、私は、 経営者の方々が持っているメッセージ性や、カリスマ性、会社の未来を語る 力強い言葉、そして人材に向き合うときの価値観などを、重みを持って受け 止めるチャンスが増えていきました。 そして、このような経営者の等身大の魅力を身近に感じることができるのは、 中小企業の最大の魅力でもあると確信するようになりました。
日本人なら誰でもしっている大手有名企業の数々も、海外から見ればその多くが 無名です。 従って、外国人留学生の場合、知名度の高い企業にばかり応募が殺到するという 状況はあまり見られません。外国人材へのメッセージの発信がうまくできている 企業があまりないため、留学生の多くはどこへ応募すべきか戸惑っています。
自分の言葉で未来へのストーリーを語ることのできる中小企業経営者、 人材への期待と尊重を誠意を持って示すことができる中小企業経営者には、 優秀な人材に訴求できる可能性が無限にあるのです。
このような確信を持った3年目、私たちは「アジアの架け橋」のコンセプトを改め、 社長と留学生が直接出会えるマッチングイベント「社長LIVE」を企画しました。
イベントへの参加を、多忙な経営者に限定するのは、少々勇気のいることでしたが、 あくまで経営者の参加が原則、やむをえない場合でもNo.2が参加するという条件で、 参加企業を募集しました。
こうして、2014年3月に「社長LIVE2015」を開催。 参加申し込みのあった12社すべてが中小企業。
でも、経営者と会いたいという 意識の高い留学生が必ず集まるという見込みは当たり、当日は活気に満ちた 対話があちこちで繰り広げられました。
自分が一番やりたかった出会いの場作りが初めてできた、と思いました。
このイベントを経て、15人の留学生が内定。 このうち一名は、その後家庭の事情で帰国が決まり、内定辞退となりましたが、 それ以外の14人はすでに入社、または無事に内定式を迎えられました。
社長LIVEは、大手企業の採用ピークが来る時期よりも前に開催しましたが、 内定者が大手企業に流れるという事態はなく、経営者の訴求力を感じさせる 結果となりました。
来年はさらにパワーアップし、 「社長LIVE2016」を開催します。
今度はどんな出会いが待っているのか?
ワクワクしながらスタッフ一同、準備を進めています。